集団授業や個別指導塾とは何が違う?家庭教師に教えてもらうメリットとは
家庭教師を雇うというのは、ひと昔前は経済的に裕福な家庭だけが選べる教育手段でした。子どもを塾に通わせるイメージはできていても、家庭教師をつけることはあまり想像できないという人も多いかもしれません。しかし、近年は手頃な価格で質のよい家庭教師サービスも増えています。ここでは、そうした近年の家庭教師事情について解説します。
そもそも家庭教師とは
そもそも家庭教師とは、自宅など私的な場所で子どもを直接指導する教師、またはそれに準じる職業を指します。つまり、学校や塾とは違い、ひとりの子どもの専属の指導役として、学習や成長を見守り、適切に補助するサービスが家庭教師といえるでしょう。
家庭教師の種類その1
日本では、家庭教師を専業として行ういわゆるプロ家庭教師と、学生などによるアルバイト家庭教師に分けられます。一般的にはプロ家庭教師のほうが指導力・経験・知識において勝りますが、アルバイト家庭教師にも優秀な人材は少なくありません。
また、プロであってもアルバイトであっても、多くの場合は家庭教師派遣サービスに所属または登録することで、生徒のあっせんを受けています。ごく一部では自分のツテや紹介だけで営業する独立系の家庭教師もいますが、出会うことは少ないでしょう。
家庭教師の種類その2
家庭教師は指導内容によっても大きく2つに分かれます。すなわち、ハイレベルな受験指導型と勉強が苦手、遅れが目立つ生徒指導型です。前者には医学部や難関中学受験など、特定の受験対策において実績が特化している家庭教師もいます。また、後者ではコーチングなどの専門的なスキルを持つ人もいるのです。
新しいタイプの家庭教師
さらに近年では、なんらかの事情を抱えて不登校になった子どもや軽度の学習障害を持つ子どもの指導ができる家庭教師もいます。家庭教師派遣サービスによっても、対応できる指導タイプや得意分野がそれぞれ違うため、家庭教師を利用する前にそうした情報を確かめる必要があるでしょう。
家庭教師と塾とでは何が違うのか
家庭教師と塾で大きく異なる点について、確認しておきます。
指導法
家庭教師では、大半のケースで完全なマンツーマン指導になります。個別指導塾でもマンツーマン形式をとるところもありますが、1教師に対して2~3名の生徒というのが一般的なため、家庭教師はかなりぜいたくな指導法です。
その分、教師は生徒の細やかな変化にまで気づき、対応することも可能なため、生徒に合わせた指導という意味ではもっとも理想的な指導法になります。
教材
マンツーマン指導において、教材を限定する必要はありません。そのため、家庭教師では理論上あらゆる教材を使用できます。実際には学校の教科書や市販の教材、または家庭教師派遣業者ごとに用意されたオリジナル教材を活用する場合が大半ですが、教師の対応力と交渉しだいでは、保護者や生徒本人が指定した教材も使用できます。
費用
家庭教師にかかる費用は、一般的な塾の費用に比べると安くはありません。ただし、近年は比較的リーズナブルな価格で家庭教師を派遣してくれる業者もあります。また、個人契約の家庭教師であれば、価格交渉も可能です。
さらに、家庭教師の学習効果や、時間あたりの指導効率は塾に比べて高くなるため、費用対効果で見た場合は塾サービスに劣るとは限りません。
家庭教師に教わるメリットとは
家庭教師に教わるメリットは目立つものがいくつかあるので、ここで紹介しておきます。
時間効率のメリット
家庭教師の大きなメリットとして、時間効率が挙げられます。自宅まで教師のほうが来てくれるので、生徒側には移動時間は発生せず、また指導もマンツーマンのため、学習中も無駄な時間はほとんど生まれません。部活や課外活動に大きく時間を使いたいタイプの生徒には、とくに大きなメリットとなるでしょう。
個性に合わせられるメリット
家庭教師の指導はマンツーマン指導が基本となるため、多くの家庭教師が子どもの個性に合わせて指導してくれます。さらに優れた家庭教師なら、個性だけでなく興味のあることや理解ペースを細かく把握した指導が可能です。
学習習慣の定着
家庭教師は定期的に指導が行われ、勉強場所も自宅であることから、自動的に自宅での学習習慣につながる期待が持てます。また、正しい学習法や学習習慣の定着をもっとも優先する教師も多いため、学習習慣を身につけるという意味では、家庭教師は大きなメリットを有しているのです。
子どもによって向き不向きがある
家庭教師で能力が伸ばせるか、塾に通って成果が期待できるかは、子どもの性格タイプによってもある程度予想することが可能です。ここではそれぞれの一般的な特徴を紹介しておきます。
家庭教師が向いている子どもの特徴
周囲のペースに合わせるのが苦手な(マイペースだと力を発揮する)タイプやほか人の様子や周囲を気にしすぎるタイプの子は、家庭教師向きといえます。1年以上塾に通っているのに成果が出ないような場合も、集団指導に向かない何らかの理由がある場合が多いので、家庭教師を試してみるとよいでしょう。
塾や集団指導が向いている子どもの特徴
負けず嫌い、周囲とペースを合わせるのが得意、友人に影響されやすい、といった特徴を持つ子どもは、塾での集団指導に向いている可能性があります。
優良な塾であれば、適切なレベルの指導、程よい競争による刺激、ライバルを見習える環境といったものが揃っているため、短期間ですばらしい成長を見せる可能性があるでしょう。もちろん、こうした特徴を持つ子でも家庭教師が向かないわけではなく、特性を見抜いて上手に指導できる家庭教師もいます。
まとめ
家庭教師と塾のどちらが子どもにとって最適か悩んでいる家庭向けに、家庭教師のメリットなどを紹介しました。家庭教師と塾とでは、学習環境がかなり異なります。子どもの性格や現在の学習状況を踏まえて、どちらが適しているか判断するべきです。近年は塾だけでなく家庭教師の業者でも無料体験サービスや無料カウンセリングを実施しているので、そうしたサービスを気軽に試してみるのもよいでしょう。